Discretion
Discretion
日本ではあまり聞かない単語ですが、アメリカでは良く目にする単語です。意味としては非常に珍しいのですが2つの相反する意味を持っています。
(1)慎み深い, 慎重, 配慮, 心遣い, 思いやり:日本人が最も得意とする事
(2)自由裁量、自由判断、自由意志、任意:日本人が最も不得意とする事
Discretion – 人間の本質を二分するほどに全く違った意味を同時に持ち合わせている言葉は他に見当たりません。
↓の動画はアメリカABCニュースの報道の一部で、
東日本大震災時における被災者の振る舞いにスポットが当てられています。
映像には落下した建物の屋根に挟まれてしまった方を協力して救おうとする人々の姿、
電力不足の中、不必要な電気を使わず節電に取り組む人々の様子、
避難所でもリサイクルに取り組む人々の姿勢、
生活必需品を買うために、順番を守り長い時間列に並ぶ人々の光景が。
神道、仏教、儒教の影響により、日本人は個と同時に地域社会を考慮する点、
また日本には「一体」という言葉があるという点も、
「日本の精神」の根底にあるものとして言及されていました。
(1)慎み深い, 慎重, 配慮, 心遣い, 思いやり:日本人が最も得意とする事が海外でも評価されています。
(2)自由裁量、自由判断、自由意志、任意:日本人が最も不得意とする事 についてはどうでしょうか?
良く解る例として、全日空の篠辺修社長が課長時代に経験した新聞記事を見てください。
日本の航空局なら規定通りに罰金を言い渡していたでしょう。そこには自由裁量を行うための「経験」が無いのが原因だと思います。日本の官僚の方々は大体において2~3年で部署を変わっていきますので、残念ながら自由裁量を行うだけの経験を積むことが出来ないと思うのです。まあ、農耕民族と狩猟民族、村社会と個人主義の違いも非常に大きな差が有るのも事実なんですが。。。。。
私が経験した事例では、1997年にアメリカ本土のネバダ州で飛行機の免許を取得してきたのですが(FAA飛行機・単発・陸上・水上技能証明)、外国人なので英語のテスト(30分)と口頭試験(2時間)で計2時間半絞られました。結果は満点で実技に進んだのですが、普通3~4時間かかる試験が1時間半で終了してしまいました。
試験管に「もう終わりですか?ナビゲーションは行わないの?」と聞くと「君は法律が解っているから大丈夫。操縦は現段階では下手で当たり前だし、1時間も一緒に乗れば技術は解る」と着陸を命じられました。但し、最後のダウンウインドでスロットルをパーシャルにして速度を80ノットにしないといけないのに全開にされて110ノットも出ています。しかもショートアプローチ(急旋回しながら急降下して着陸)を命じてきました。
一応日本で練習していた科目だったので上手くこなして95点で合格しました。日本だったらナビゲーションは絶対に飛ばさなかったし、逆に科目に無い事を命じたりもしなかったでしょう。
次に水上機の座学で「僕は船舶1級を持ってるから座学はスキップしてほしい」と言うと。「OK、じゃあこのチャートのこの意味は?」ロープを渡されてアンカーノッチとシーマンのっちを見せてと言われ、パパっとやって見せたら「OK!じゃあ飛びましょう」と座学はスキップしてくれました。日本ならかならず座学を嫌でも聞かされていたでしょう。