人工知能
最近、ホーキング博士がが英BBC放送や英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに対して警鐘を鳴らした。
「人類が開発に成功している人工知能は非常に役に立つことがわかっている。しかし、完全なる人工知能は人類に終わりを告げる恐れがある」
ロボット工学3原則(アイザック・アシモフ)
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
— 2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版 、『われはロボット』より
上記ロボット工学3原則を適用したロボットを作ろうとすると、コンピューターの内かなりの部分を人工知能に置き換えないと判断能力は付かないだろう。
例えば、燃料電池搭載のロボットが火災を発見した時に、「自分が助けにいけば燃料に引火して要救助者を死なせるかも知れない」と救助を要請する事が求められる。
一番早く上記ロボット3原則を搭載したのはソニーの「アイボ」だろう。しかし、愛玩ロボットなのでごく初歩的な物である。
人工知能がどんどん進化すると人間の仕事が奪われていくのは、産業革命での過去の歴史からも想像できる。
例えば、1500年、英国の労働力の75%が推定で農業に従事していた。1800年までにその割合は35%まで減少した。
米国では1950年代に工業に携わる労働者は全体の約30%だったにもかかわらず、今では10%未満まで縮小。一方、サービス産業の労働者は全体の50%未満から約70%にまで拡大した。
しかし、通販の急速な売り上げの増加は対面販売の存続に関わるので色々な所で大型ショップがオープンされているが、その周辺の小売店は廃業をよきなくされ、結果的には就業者の減少につながっているのではないか?
今日の論点
(1)完全なる人工知能の危険性
(2)仕事は増える、増えない わかれる見方
(3)今後20年で消えていく仕事とは
「人工知能は人類に終わりを告げる」
近未来映画『ターミネーター』に出てくる人工知能(AI)スカイネットは殺人ロボットを指揮し、人類を絶滅の危機に追いやろうとする――。
女性を抱きかかえるロボット(著作権Mike_kiev、Dreamstime.com)
女性を抱きかかえるロボット(著作権Mike_kiev、Dreamstime.com)
こんな未来が現実にやってくると、筋萎縮性側索硬化症の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士が英BBC放送や英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに対して警鐘を鳴らした。
「人類が開発に成功している人工知能は非常に役に立つことがわかっている。しかし、完全なる人工知能は人類に終わりを告げる恐れがある」
「ムーアの法則では、コンピューターは1年半ごとに処理速度と記憶容量を2倍にすることができる。コンピューターは自分で能力を向上させ、人間の手を離れて自らを管理する存在になる」
「生物学上ゆっくりとしか進化できない人類は(ものすごいスピードで進化する)人工知能とは競争にならず、取って代わられるだろう」
「プロ棋士」と「コンピューターソフト」が対決する将棋「電王戦」でも、人間のプロ棋士がコンピューターに勝つのは次第に難しくなっている。コンピューターの進歩は日進月歩だ。
航空管制システム、誘導ミサイルなど人間がコンピューターに及ばない分野が増え、人工知能の発達で「グーグルカー」など自動運転の自動車も出現した。こうした技術は人間に幸福をもたらすのか。
それともホーキング博士が言うように、人類を滅ぼす恐れのある存在なのか。
ロボットや人工知能の未来
人工知能が『ターミネーター』のスカイネットのように人類を攻撃し始めるかどうかは別にして、ロボットや人工知能が身近になる日はそんなに遠くない。
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが今年8月に発表した報告書によると、ロボットや人工知能は2025年ごろまでに、医療、交通、ロジスティクス(物流管理システム)、顧客サービス、ホームメンテナンスなど日常生活に浸透してくる。
同センターが1896人の専門家にインタビューしたところ、48%が、ロボットやデジタル・エージェント(ユーザーを代行してネットワーク内での処理を自動的に行うプログラム)がブルーカラーやホワイトカラーの労働者から劇的に仕事を奪うと予想した。
ロボットや人工知能の普及は貧富の格差を拡大し、労働者の失業や神経衰弱を引き起こすと指摘するなど、暗い未来、ディストピアを思い描いていた。
これに対し、残り52%は今の仕事は本質的にロボットやデジタル・エージェントによって取って代わられるが、産業革命の時と同じように新しい仕事が創出されると楽観的に考えていた。
小規模で職人芸的な生産方式が見直され、ロボットや人工知能の普及は労働時間を短縮し、生活の質を向上させる。しかし、旧態依然とした教育制度は時代遅れとなり、知的産業革命に備える新しい教育が必要になるという。
「歴史的にも技術的にも技術革新は仕事を奪う以上に多くの仕事を生み出してきた。今回だけ違うと考える理由がない」(インターネットの父と呼ばれるヴィントン・サーフ氏)
なくなる仕事、生き残る仕事は?
人類は時代の変化にしたたかに、たくましく順応してきた。未来を悲観する必要はないが、過去にとらわれ、変化を拒む種は淘汰される。
経済産業省は、成長戦略を支える「ものづくり」人材を強調するが、果たして「ものづくり」だけで日本は21世紀を生き残れるのか。
英名門オックスフォード大学のカール・フレイ氏とマイケル・オズボーン氏が昨年、発表した研究によると、これから20年間に、会計事務や法務など47%の職種でオートメーション化が進む可能性があるという。
なくなっている可能性が0.0028と一番小さかった職種はレクリエーション・セラピスト。
手芸、音楽、動物との触れ合いなどを通じて患者を心身ともにサポートし、日常生活を送れるようにしていく治療法の従事者だ。レクリエーション・セラピストは、高齢化が進む日本の得意分野になるかもしれない。
危機管理ができる管理職も0.003と、ロボットや人工知能に取って代わられる可能性は低かった。
なくなる可能性が0.99と最も高かったのは、電話でモノを売るテレマーケター、時計の修理工、数学の専門家など。
産業革命が人間の筋肉に取って代わったように、知的産業革命は人間の頭脳に取って代わる。日本で大量生産される受験秀才は人工知能が普及すれば、バッサリ切り捨てられる恐れがある。
ホーキング博士が警告する「スカイネット」の出現を心配する前に、「コンピューターにはできない、人間にしかできない仕事」に徹底的にこだわることこそ日本が21世紀を生き抜くカギになりそうだ。
最近、家内がヨガの仕事からなんとなく下着の製作を始めている。オーガニック素材かつオーダーメイドでフィット感は抜群みたい。リピーターまで発生している所を見ると僕よりは案外家内の方が生き残れるかも知れない。統計的に見ても家内は9歳年下でなおかつ運動しているので確実に家内の方が長く生き残るだろう(笑)