無電極ランプ(LVD照明)の特徴とHIDランプとの比較

無電極ランプは、その名の通り「電極が無い」為に原理的に寿命の長い照明です。「Low Voltage Discharge」の頭文字を取ってLVD又はLVD照明と呼ばれる場合も有ります。

今回はのテーマは 「LVD照明比較 VS HID」です。

点灯によって明らかに消耗する、フィラメントや放電極を持たないLEDや無電極ランプの寿命は、不点灯によって寿命を測ることができないため、JIS規格によって「当初の光束が70%にまで減じた時」とされ、慎重な解析からLED4万時間、無電極ランプ6万時間との表示が許されています。そして当然、その時点で不点灯になるわけではありません。また、「当初の光束が60%にまで減じた時」と考えた時には無電極ランプは10万時間点灯しています。

一方、HIDランプ(水銀灯やメタハラ、セラメタなど)は「残存率とは、はじめに点灯したランプ数に対する一定の時点でまだ点灯しているランプ数の比率を言います。また、残存率が50%になる時点を定額寿命といい、定額寿命は約半数のランプが不点灯になることを意味します。」と決められています。(社団法人 日本電球工業会 「一般照明用HIDランプおよび使用済みHIDランプに関するQ&A」の4ページQ-5参照)つまり、HIDランプの場合は50%が不点灯になった時を寿命と定めているので、実際には定格寿命の70%~80%程度で交換される球も多く有ります。

セラメタ灯のセラメタH220形ランプの定額寿命は18,000時間であり、その時点では半数はすでに不点灯になっているのです。

このように、点灯し続けることに関して、HIDランプと無電極ランプには大きな違いがあります。

また、定額寿命までに半数が点灯しなくなるHIDランプは、ランプの交換は1灯ずつ、ないし、足場や高所作業車などを使用し、1灯あたりの交換費用が莫大な金額になります。一方、無電極ランプのランプ交換は、寿命を過ぎ全体が暗くなりすぎて交換することになりますから、全灯一斉交換になり、同じく高所作業車を使う場合も一灯あたりの交換費用は安くなります。

点灯性能: 無電極ランプは瞬間点灯・瞬間再点灯できる大型照明です。HIDランプの場合は、ご存知のとおり、点灯に5分再点灯に13分かかりますので、いざというときに点灯してなくては困りますから、倉庫ではどうしても全灯点けっぱなしになります。(弊社の事務所は自動車関連の24時間部品倉庫の上にあります。倉庫で本当に人が働いている時間は1日6時間程度と思いますが、水銀灯は交代時の4時間を除いて毎日20時間点灯しています)

一方、無電極ランプの場合は、不在のときは真っ暗にならないように全体の1割程度点灯しておき、作業に入るときに必要な場所だけを点灯すればすぐに明るくなります。まさに、こまめに消して節電ができる照明になります。1日あたりの平均点灯時間を減らすことのできる照明です。

消費電力ですが、セラメタH220形の安定器も含んだ消費電力は250wです。(ランプ定格電力220wは消費電力ではありません)弊社がお勧めする「プロライト150w(無電極ランプ)」のインバーターも含んだ消費電力は150wです。

 

明るさについては、「プロライト150w(無電極ランプ)」は水銀灯400wと同じ明るさです。水銀灯400wの全光束が22,000lmでセラメタH220形の全光束が25,300lmですから、同じ照度を得るのには、水銀灯は25,300/22,000=1.15倍の灯数が必要ということになります。

一方、現在、三菱化学株式会社黒崎事業所電気グループで採用された無電極ランプ150wは水銀灯400wに挟まれて設置していますが、目で見た明るさは明らかに無電極が上です。しかし、水銀灯の照度が407ルクス、無電極ランプが350ルクスで、計測してみると水銀灯のほうが照度は上なのです。(電気グループ長の立会でマネージャー計測)

これは無電極ランプの演色性が高くちらつきもまぶしさも低いなどの光が良い事によるものだと思います。(演色性と明るさ感で検索されるといろいろなレポートがあります)

私どもは人の目で感じる明るさに重きを置いています。そして、照度の値より明るいことは更なる省エネ性能だと考えています。おそらく、250WセラメタHと同数の設置でも明るさは変わりません。

水銀について: 環境に負荷をかける廃棄物として水銀は大変処理に費用がかかるものですが、ランプ中の水銀の量はおよそ22mg~30mg、プロライト150wは5gです。またランプ寿命が60,000/18,000=3.33倍ですから、ある一定期間にランプ交換によって廃棄される水銀の量は水銀灯の約1/15以下で、非常に環境に優しい照明です。

直下だけが明るいHIDランプと光が広がり影のできにくいプロライトなど、まだまだ、いくつかの良い点はありますが、虫の集まり方についてご説明します。熱を感じて寄ってくる虫も少しあるようですが、大部分は紫外線に集まりますので、およそ400nm以下の紫外線の波長の光の量を見れば虫が集まりやすいかどうかが分かります。水銀灯セラメタHは虫の集まりやすいランプです。水銀灯より集まります。

セラメタは水銀灯の光の量を大きく増やした明るいランプですが、紫外線の領域の分まで光が増えているのです。

プロライトは、400nm以下ではほとんど光がないので、虫の寄りにくいランプです。

 

株式会社吉見屋はLVD(無電極)ランプ「エコ太郎」の総発売元㈱ラックライドの1次代理店です。

無電極ランプは特に水銀灯からの代替え照明として注目されています。

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